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EUA微減するも他のエネルギー関連商品より堅調;UKAは売り圧力を受けて40ポンドのサポートレベル近辺で推移

ノルウェーのメンテナンス期間によるガス供給の不確実性が、EU排出権価格を狭いレンジ内に抑える可能性。我々の見通し:横ばいから弱気

  • EUAは週末に70.21ユーロで取引を終了し、1.22ユーロ(-1.7%)下落。取引レンジは2.25ユーロと、前週の4.13ユーロから縮小した。月曜日の静かな取引に続き、火曜日には再生可能エネルギー(RE)発電の低下と強いオークションによって価格が回復した。水曜日の朝には週の高値に達したが、その後売り圧力が戻り、価格は71ユーロ付近で推移。金曜日には、弱気派が価格を71ユーロのサポートレベル以下に押し下げ、週の最安値で取引を終えた。
  • 日中平均ボラティリティは1.57ユーロに減少(前週は1.85ユーロ)。

EUA微減するも他のエネルギー関連商品より堅調;UKAは売り圧力を受けて40ポンドのサポートレベル近辺で推移

地政学的緊張とガスの供給不安を背景にEUAは一定の値幅での取引Redshaw社の見通し:横ばいから弱含み

  • EUAの終値は前週比0.94ユーロ減(-1.3%)の71.43ユーロ。 取引レンジは4.13ユーロに縮小(前週は4.67ユーロ)。EUAは強含みでスタート。他のエネルギー関連商品より堅調に推移し、火曜に直近12週の最高値74.75ユーロに到達。しかし、ガス価格の変動を受けて週半ばに売りが発生したため、木曜に72ユーロのサポートレベル割れ。金曜にさらに下落したものの、強気筋が71.30ユーロのサポートレベルを堅持し、これを上回る価格で引けた。
  • 日中平均ボラティリティは1.85ユーロに低下(前週は2.20ユーロ)

EUAはガス価格の高騰で月曜に直近2ヶ月の最高値に達するも、その後は一定の値幅での取引;UKAもガス価格の高騰と投機買いで200日移動平均を突破

水曜のオークションの休催と中東ガスの供給不安でテクニカルな見通しは短期的には上向き。 しかし、再生可能エネルギー発電量の増加が上昇を抑制か。Redshaw社の見通し:強含み

  • EUAの終値は前週比2.53ユーロ(3.6%)増の72.37ユーロ。取引レンジは4.67ユーロに拡大(前週は4.01ユーロ)。週の値動きの大半は月曜に集中。反転前に直近2ヵ月の最高値を記録(4.32%増)。ガス価格の高騰でEUAも急上昇し、ショートスクイーズが発生。週末にかけ、イランとイスラエルの全面衝突の懸念がこれに拍車をかけた。しかし、火曜に反転し、72.95~73.00ユーロのサポート割れ。その後は休日によるEU全体の休業が影響し、一定の値幅での低調な取引に終始した。
  • 日中平均ボラティリティは2.20ユーロに上昇(前週は2.00ユーロ)

200日移動平均が強固なサポートとなるもEUAは71.50ユーロブレイクならず;投機家が引き続きロングポジションを削減する中、UKAは一定の値幅で推移

ロシア・ウクライナ紛争と中東情勢の緊迫化でガスの供給不安継続。さらにヨーロッパ全土の冷房需要でEUA価格は上昇か。Redshaw社の見通し:横ばいから強含み(71.42~71.50ユーロのレジスタンスを突破すれば強含み)

  • EUAの終値は前週比60セント減(-0.9%)の69.84ユーロ。取引レンジは4.01ユーロに縮小(前週は4.30ユーロ)。米国の雇用データで景気後退の懸念が高まったことから、弱含みでスタート。これを受け、アジアの株式・石油市場も急落。しかし、供給中断の懸念を受けて上昇したガス価格とともにEUAも上昇。さらに米国の雇用データが予想を上回ったため、景気後退の可能性は低下し、週半ばに概ね回復した。
  • 日中平均ボラティリティは2ユーロに上昇(前週は1.91ユーロ)

エネルギー市場とともにEUAも上昇。200日移動平均がサポートに。;投機売りが続いてUKAは40ポンドのサポート割れ。

ファンダメンタルズは不変。中東の政情不安の影響でEUAは一定の値幅で取引される見込み。Redshaw社の見通し:横ばい

  • EUAの終値は前週比2.73ユーロ%増(+4%)の70.44ユーロ、 取引レンジは4.30ユーロに縮小(前週は4.80ユーロ)。中東情勢の緊張でガス価格とEUの炭素価格が上昇し、EUAは強含みでスタート。しかし、弱気筋が200日移動平均超えを懸命に阻止。木曜にエネルギー市場全般がさらに上昇したことでストップアウトが発動し、200日移動平均超え。その後さらに上昇して週最高値の71.50ユーロに達した。これを受け、弱気筋が金曜に下落を試みる中、200日移動平均が週末に向け、強固なサポートとなった。
  • 日中平均ボラティリティは1.91ユーロに低下(前週は2.37ユーロ)

エネルギー市場全般の活況でEUA上昇するも反発を受けて売りが強まり、200日移動平均割れ;UKAは引き続き40ポンド前後で推移、市場は上下のブレイク待ち

通常を上回る8月のオークション量と 休日中の低調な取引がEUA価格を圧迫Redshaw社の見通し:横ばいから弱含み

  • EUAの終値は前週比1.70ユーロ%増(+2.6%)の67.71ユーロ、取引レンジは4.80ユーロに拡大(前週は3.86ユーロ)。週のスタートは弱含み。心理的なサポートレベルである65ユーロを下回り、直近3ヵ月の最安値を記録。しかし、コンプライアンス市場での購入、通常オークションの休催、フランスのTSO(送電系統運用者)による越境送電の制限により、水曜には再び買いが強まり、1日で4.7%上昇。こうした上げ相場にも関わらず、その後は売りが強まり、200日移動平均割れ。さらにエネルギー市場全般の低迷もあり、週半ばの上昇分の大半は週末に向けて消失。結果的にわずか2.6%増で引けた。
  • 日中平均ボラティリティは2.37ユーロに上昇(前週は1.62ユーロ)

EUA続落も66ユーロ前後が強力なサポートとなって直近の値幅を維持;UKAは売りが続く中で一定の値幅での取引

不変のテクニカル指標と再生可能エネルギー発電量の増加を背景にEUAは引き続き弱含みとなるも押し目買いがサポート。Redshaw社の見通し:弱含み

  • EUAの終値は前週比3.34ユーロ%減(-4.8%)の66.01ユーロ。取引レンジは4.25ユーロに縮小(前週は4.82ユーロ)。取引レンジは3.86ユーロに縮小(先週は4.25ユーロ)。先週は低調にスタート。再生可能エネルギー発電量の増加が見込まれたことから、月曜早々に前週最高値の69.58ユーロから1.7ユーロ下落。水曜にはエネルギー市場全般の低迷と並行してさらに1.55ユーロ下落。しかし、フリーポートLNGターミナルからの出荷の中止が発表され、ガス市場が逼迫。これに押し上げられ、木曜にわずかに上昇するも、すぐに失速。金曜には再び弱気が優勢となり、週最安値の65.72ユーロをわずかに上回る価格で引けた。
  • 日中平均ボラティリティは1.62ユーロに低下(前週は1.76ユーロ)。

EUAは引き続き一定の値幅での取引。70ユーロ前後で推移;UKAは選挙後に売りが続いて続落。

炭素市場のファンダメンタルズは短期的には弱含み。エネルギー市場全般の下落がさらなる圧力に。Redshaw社の見通し:弱含み

  • EUAの終値は前週比1.4%減の69.35ユーロ。取引レンジは4.25ユーロに縮小(前週は4.82ユーロ)。週を通して価格に圧力がかかり、前週の上昇分の大半が消失。フランスでの選挙結果に市場が反応し、月曜早々の取引で週最高値の71.85ユーロに到達。しかし、価格が200日移動平均に近づいたことで弱気筋が売りに出たため、上昇はすぐに失速し、市場全体を圧迫。その結果、下げ相場に転じ、同日の最高値を大きく下回る価格で引けた。さらにエネルギー部門全般の低迷とオークションの不振で弱気センチメントが高まり、火曜・水曜も続落。その後、エネルギー価格が安定したこともあり、68ユーロがサポートラインとなって木曜・金曜はやや持ち直した。
  • 日中平均ボラティリティは1.76ユーロに低下(前週は2.13ユーロ)。

投機筋がショートポジションを積み上げているものの、実質的需要とエネルギー市場全般でのスプレッドの改善を受けてEUAは上昇;政治的不確実性を反映してUKAは保ち合い

エネルギー市場との関連が弱まり、テクニカルな見通しが立たない中、EUAは明確な方向性のないまま反発Redshaw社の見通し:横ばい

  • EUAの終値は前週比2.99ユーロ増(4.4%増)の70.35ユーロ。取引レンジは4.82ユーロに拡大(前週は3.31ユーロ)。フランス総選挙の第1回投票で国民連合が予想以上に健闘したことでEUAは強含みでスタート。堅調な実質的需要を受けて週前半に大幅上昇。月曜には67.13ユーロだった底値が水曜には週最高値の71.95ユーロに達し、200日移動平均を突破。しかし、その後に売りが発生し、200日移動平均超えの勢いは失速。週後半は弱気が優勢となり、各日、200日移動平均超えには至らず、下落傾向で引けた。
  • 日中平均ボラティリティは2.13ユーロに上昇(前週は1.75ユーロ)

炭素・エネルギー市場ともに方向性定まらない中で価格はほほ横ばい。市場関係者は動向を模索中。

更新を続ける最安値、弱気なテクニカル、増加傾向の風力発電量、追加オークションの開催、投資ファンドのショートポジションの増加を背景に価格は下落の方向。横ばいから弱含み

  • EUAの終値は前週比1%減の67.36ユーロ。取引レンジは3.31ユーロに縮小(前週は4.09ユーロ)。直近2ヵ月の最安値が毎日更新されたものの、強気と弱気が拮抗し、エネルギー市場全般で価格が変動したことを受け、EUAは概ね一定の値幅での取引。週を通して買いが持続したものの、弱気を払拭するには至らなかった。以前の下落局面のように、反発のたびに売りが発生し、これが価格の上昇を抑制。
  • 日中平均ボラティリティは1.39ユーロに低下(先週は1.96ユーロ)

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